昨年、高校受験をした姪が、併願では「英検準2級」でも「漢検準2級」でも同じ点数の加点(内申点への加点)になるという話をしていたのを聞いて、「いまは高校受験も英検準2級でないと併願の加点にならないのね〜」なんて思っていました。
(ちなみに 15年前頃は、英検3級で加点の高校も多かったです。)
中学校受験でも、推薦を実施している学校や英語入試を実施している学校が増えてきていて、入試の素点への加点や、試験免除などの特典があるというのは英検のサイトにも掲載されていて知っていました。⤵︎⤵︎
それで...英検2級を持っていれば、「英語入試の英語のテストが免除で、満点扱いしてくださる学校もあるのねー」などと考えて、娘の小学校での英語の目標を英検2級に設定したのでした。
しかし...なんと...「英検持ってるだけで特待!?」という学校があるとい噂を耳にして少し調べてみました。
- 英検の高校入試での利用
- 英検の中学校入試での利用
- 英検と特待(中学校の場合)
- 東京の状況(関西圏や関東圏との比較)
- そして...大学入試
- 幼少期から英語に親しんできた小学生と英検...うちの子の場合
- それでも...英検2級を目指す...のか?
英検の高校入試での利用
高校入試では、英検がかなり活用されている印象です。ただ、うちのなかでは、訳あって英検準2級の価値があまり高くない(後述)ので...高校生が準2級で「特待」と聞くと...少し考えてしまいます。また、絶対に受けられないけど「2級があれば、あの有名校も少し優遇されるの!?」と思うと...動揺してしまいました。
- 推薦基準(併願も含む)の加点
- 内申点に+1〜+5の加点あり(学校によっては3級から対象)
- 入試得点への加点
- 英検の級によって段階的に加点する学校も
- 合否判定の際に考慮
- 具体的に加点の数値を公表してないけれど、入試の判定の際優遇するといった学校もあるようです。
- 北海道のあの有名進学校も2級の判定優遇の制度があるようです。
- 特待生
- 内部進学の場合の特待生への推薦や、一般入試での特待生認定など制度はさまざま、準2級以上。
英検の中学校入試での利用
最近では、関東圏(特に東京)では、英検の取得率が高くなっています。そこで、英語を受験で使える学校も増えてきているようです。英語入試とひと口に言っても、英検5〜準2級、2級程以上までレベルも様々なようです。
先日、オンラインで参加したとある学校の説明会でも「英語入試の希望者が増えてきている」と説明があり、その学校は、英語入試(英検3級〜準2級程度)を来年度(2024年度)入試から独立させるそうです。
英検のサイトに紹介されているだけでも、中学入試でも試験の優遇から特待まで以下のように様々な特典があるようです。⤵︎⤵︎
関東圏では、たとえばMARCH のある学校への推薦枠の大きくて人気の共学校が、英検準2級で入試の英語のテストが90点(100点満点)扱いだそうです。
- 推薦基準
- 関東圏でも数は多くないですが、中学校入試でも合格したら進学を約束する方を対象に推薦入試を実施する学校があります。これらの学校では、申告書に記載するとで加点や優遇を受けることができる場合が多いようです。
- 入試での利用、得点への加点または試験の免除
- 英語入試を選択できる(5級程度〜準2級程度)※ 帰国生入試ではない
- 英語入試を実施する学校で、英検の級に対して加点、または仮得点をつけて試験を免除(3級〜)
- 英検の級を得点化して4科(400点満点)または2科(200点満点)の結果に加点(3級〜)
→ 多いところで、400点満点に2級で80点!
- 合格判定の際に考慮
- 申告書に書いておくと合否判定で優遇される(5級〜)
- 給付型奨学金の支給
- 特待生
- 入学金免除(全免/半免)(3級〜)
- 入学金+施設費免除(3級〜)
- 授業料免除(全免/半免)(準2級〜)
英検と特待(中学校の場合)
具体的に、特待とはどのような内容なのでしょうか。英検のサイトには次のようなものが載っていました。2019年調査のものもあるので、今は少し変わっているかもしれません。
その他にも、関東圏では淑徳SCで給付型奨学金の対象になるなどの制度もあるようです(審査があるタイプ)。*1
北鎌倉女子学園中学校 施設設備費が全額免除 静岡英和女学院中学校 入学金免除(2019年実績調査) ノートルダム女学院中学校 一定の学業成績に加え、取得級に応じた授業料の免除制度がある。(出願時) 金蘭会中学校 入学金免除) 羽衣学園中学校 特待制度 準2級以上:入学金と授業料全額免除、3級:入学金と授業料半額免除、4級:入学金免除) プール学院中学校 3級以上:入学金全額免除、4級::入学金半額免除(入学前)芦屋学園中学校 入学金免除(入学前に取得)) 如水館中学校 第一回入試までに4級以上取得の児童に対し、入学手続金(90,000円)支給。(2019年 調査実績)) 大阪学芸高等学校附属中学校 (小学6年第二回英検までの取得級)準2級:入学金の全額免除、2級:入学金+授業料の全額免除
東京の状況(関西圏や関東圏との比較)
それぞれの地方にいくつかずつと多くはありませんが、英検3級で入学金免除、2級で授業料免除の学校があるという噂は本当でした(2022年7月の調べ)。
しかし、関東圏(特に東京地方)は、この限りではないかもしれません。というのも、東京では、すでに英検3級が珍しくないからです。近所の都立中高一貫校の方に聞くと、入学時から3級を持っている子はザラにいるということでした。
また、東京は帰国子女が多いのも特徴です。帰国子女の方は、帰国時期にもよりますが、小学校の中学年帰国で数年の経験があれば、英検2級程度は普通に取れるようです。入試時に帰国子女資格のない海外経験者(小学校低学年までに帰国した方など)もまた多く、英語教育に力を入れていらっしゃる家庭も多いと聞きます。
英語の資格による優遇に、帰国子女を除くという注意書きをつけている学校もあります(逆に、帰国子女のみとの注意書きがある学校もあります)が、英検2級というレベルでは、海外経験の有無を区別する必要があるかは疑問もあります。
もちろん、実際には、英語の経験が海外経験の有無で大きく違うとは思いますが、それぞれ状況が違うでしょうから、海外経験があるからといって、必ずしも英語の経験が多いかは分かりません。
帰国子女が多く、幼少期から英語を習う人の多い東京地方では、やはり英検で特待というのは、あまり現実的ではないのかもしれません。
そして...大学入試
大学入試でも推薦入試では英検3級から評価していただける学校もあるようですが、基本的には準2級以上というところでしょうか。
しかし、MARCH以上の学校や国立大学といったところでは、それほど易しいものではないようです。
国立大学の推薦入試でも英語力に関する資料(外部試験の結果)の提出を求められれることが多いですが、例えば、出願するのに東京大学の推薦入試では英検1級、京都大学の特色入試では準1級など高い能力が必要(つまりそういう英語力がないと受験ができない)という学校もあるようです。
また、英検ではなくTEAP*やIELTS**を利用する学校もあります。大雑把にみると中堅どころでCEFR***:B1、大東亜帝国、日東駒専で CEFR:B2、GMARCHでCEFR:C1といった印象です。(優遇のレベルによって差があります。)
大学受験を考えると、具体的な進路選択をする時期(高2くらい?)までに英検2級(同じレベルの別のテスト)を取得していて、準1級以上のレベルの取得への見通しをもてる状況になっていることがのぞましいようです。
*TEAP, TEAP CBTは主に高校生を対象とした大学入試を想定して開発されたテスト。
**IELTS(International English Language Testing System)は海外留学などを考えている人が英語力の証明のために利用する。
***CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)は、
語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格。A1,A2,B1,B2,C1,C2の6レベルがある。
幼少期から英語に親しんできた小学生と英検...うちの子の場合
ところで、小学生が英検を受けることにどのようなイメージを持たれていますか?
「がんばって勉強して、エライわね!」とか、「中学校の先取り学習をしたの?」とか、「3級といったら完了形がわかるのね!」とか思っていませんか。
...そういうわけではありません。もちろん、そういう努力人のも人も、ある一定割合はいるかと思いますが、うちは違います。
うちの子は、幼少期から英語に触れてきました。今はなきDLifeでSofia the first を毎日見ていた幼児期から、My Hero Academia を読みふける今日まで...アニメとマンガで英語を継続しつづけ、気が付いたら英検準2級まできました。
もちろん、アニメと漫画だけというのは、かなり大袈裟で、そのほかに多くの本を読んできました。しかし、ハチマキを巻いてエイエイオーと、単語の暗記をしたり、文法の反復トレーンングをしたり、英文和訳*2をしたり..なんてことは一切せずに、ここまできてしまいました。...無謀にも...その状況で、2級も狙っています。
それでも...英検2級を目指す...のか?
大学受験を考えると英検でいうと準1級くらいは目指したいところですが...小学校3〜4年生から英語活動、小学校5〜6年生で英語の授業(卒業時に英検5級程度?)があるいまの子供たちでも、中1〜高2の4〜5年くらいで、英検の準1級ないし1級を目指すのは簡単ではなさそうです。
そんなこともあって、我が家では、子どもに英語を習わせました。現在、娘は英検準2級ホルダーです。小学校1年第3回で5級、小学校2年第1回で4級、コロナで中断して、小学校3年生第3回で3級、小学校4年生第3回で準2級と、年に一つずつ級を取りました。次は、5年生第3回で2級?....と思ってはいるのですが、中学校受験も考えているので...どうなるかわかりません。
受験との両立は難しく、目先のことを考えると「英語を休んで...」とか考えてしまうこともありますが、うちの子の学び方は教科として学んでいる訳でなく体系的な知識になっている訳ではないので、長い目で見ると、ここで英語を中断することはできないな...と思います。(10年積み上げたものが、1年で、なくなってしまいそうな感じがします。)
それでも、もちろん、帰国子女の方には敵いませんし...中学から本格的に英語学習をはじめた優秀な方々に「あっ」という間に追い抜かれるのでしょうけれど....
英検3級と準2級の面接でお世話になった問題集。これを一通りやっただけで、準2級はかなり高得点でびっくりでした。