のんびりさんの中学受験!?

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階段の問題必勝法

Scratchで描いた虹色の黄金螺旋

Scratchで描いた虹色の黄金螺

 

...子どもの塾の算数...今週は組み合わせです。...子どもの気を引くつもりが、なんとなく楽しくなって...無駄に「黄金螺旋」を虹色にしながら描いたりと...子どものテキストを見ながら、組み合わせの問題に取り組んでおりました。

組み合わせでよく見かける「階段の問題」や「タイルの問題」の解説を読んでいて...気になることがあったので...少し真面目にこの問題に取り組んでみることにしました。

階段の問題

階段の問題とは

「5段の階段があります。この階段を上がるときに、一度に1段上がるか、または、1段飛ばして上がります。階段の上がり方は何通りありますか?」という感じの問題です。

文章だけではわかりにくいので、1段目〜3段目までを図に示して状況を説明します。

図のような感じで、1段ずつと、1段飛ばしを、適当に組み合わせて階段を上る場合に、全ての上がり方の数を求める問題です。図から見てわかるように...1段だと、1通り、2段だと2通り、3段だと3通り...となります。

階段の登り方の説明

階段の登り方

中学入試での出題

中学入試では、このように出題されています。

A君は、1歩で階段を1段または2段のぼります。
(1)階段を4段のぼる方法は何通りありますか。
(2)階段を6段のぼる方法は何通りありますか。
   階段の段数が増えるにつれて、のぼる方法はどのように増えていくかを考えて答えなさい。

(名大附属中学校, 2020年)

こちらは、1歩で3段まで上がるという...ちょっと応用です。

1回につき2段上がるかまたは3段上がるかのいずれかの上がり方で階段を上がるとき、①7段、②12段の階段を上がる方法はそれぞれ何通りありますか。

(久留米大学附設中2020)

少し古いですが「☆まいにち一題☆ -中学受験過去問題研究-」で、2008年〜2011年の出題が紹介されています。こちらも参考になります!

場合の数 第54問 階段の上り方 (公文国際学園中等部 2008年、鎌倉学園中学 2012年、本郷中学 2010年、開明中学 2011年、慶應義塾中等部 2007年、四天王寺中学 2012年、江戸川学園取手中学 2011年 受験問題 算数): ☆まいにち一題☆ -中学受験過去問題研究-

この問題の解き方

階段の問題は、フィボナッチ数列と覚えている人もいると思います。しかし、中学入試の場合、組み合わせの問題は、きちんと数え上げることができれば解けるように設計されているので、もし知らなくても樹形図が正しく書ければ問題ありません。

先ほどの問題を、もう一度、問題を見てみましょう。

A君は、1歩で階段を1段または2段のぼります。
(1)階段を4段のぼる方法は何通りありますか。
(2)階段を6段のぼる方法は何通りありますか。
   階段の段数が増えるにつれて、のぼる方法はどのように増えていくかを考えて答えなさい。

(名大附属中学校, 2020年)

1歩で1段を「1」、1歩で2段(1段とばし)を「2」と表現して樹形図表すことにします。

(1)4段

4段の樹形図は以下のようになり、答えは5通りです。

  

 

(2)の前半 6段

6段の樹形図は以下のようになり、答えは 13通りです。

ここまでは、これで十分だと思います。樹形図を書く必要はありませんが、場合分けをして、システマティックに数え上げられることが大切です。

(2)の後半 どのように増えていくか...

ここで、1段〜5段の場合の樹形図を見て見て見ましょう。

きちんと樹形図が書けていると、3段目以降で、樹形図に同じ形のパターン(部分木)が登場することに気がつきます。

下の図から3段の時に、ルートが1の木の下が2段の樹形図、ルートが2の木の下が1段の樹形図になっていることを確認しましょう。

同じように、4段の時にはルートが1の木の下が3段の樹形図、ルートが2の木の下が2段の樹形図、5段ならルートが1の木の下が4段の樹形図、ルートが2の木の下が3段の樹形図になっています。

段が増えるに従って、上り方の場合が増える様子(樹形図)

段が増えるに従って、上り方の場合が増える様子

少し悩みますが、例えば、「5段の時は4段の時の場合と3段の時の場合を足したもの、6段の時は5段の場合と4段の場合を足したもの、のように、ある段の上がり方の場合は、1段少ない場合と2段少ない場合の和となるように増えていく。」のように答えることができます。

ここまでで、問題の解説はおしまいです。

算数の記述問題で求められること

ところで、この階段の問題。なぜフィボナッチ数列のような数列が出てくるか考えたことはありますか?

この問題のねらいは、おそらく、フィボナッチ数列を知っているとかそういうことではなく、システマティックに正しく数え上げることができ、そこから規則性を見出すことができることだと思います。

例えば、小学校の授業で扱うときは、結果の数列から規則性を見出すという方法も用いられます。(実際に、それでも、正しく数え上げて、結果から規則性を見出すことができていると判断されれば正解になると思います。)

では、どうしてそうなるのでしょうか? 理由は、簡単、「2段以上の階段を1歩1段か、1歩2段(1段とばし)で上るとき、最初の一歩は1段と2段の2通りあるから」です。

...ちょっと図解、次の図のように3段以上の階段を上るとき、最初の一歩で1段上がるか、2段上がるかの2通りに分けられます。5段の場合を例に、それぞれが、何通りあるか考えて見ましょう。

  1. 最初の1歩が1段の場合、残りの段数は4段となります。つまり、この場合は、4段を上る場合の数だけあります。
  2. 最初の1歩が2段の場合、残りの段数は3段となります。つまり、この場合は、3段を上る場合の数だけあります。

それぞれの場合は、同時に起こらないので、上の1, 2 の2つの場合の数を足したものが、5段上る時の上がり方の数になる訳です。

これは、何段であっても同じことが言えるので、フィボナッチ数列的に増えていくことになります。

3段以上では、最初の1歩が1段の場合と2段の場合の2通りに分けられる。

3段以上では、最初の1歩が1段の場合と2段の場合の2通りに分けられる。

 

おそらく、中学進学塾のトップクラスの子は、先生が「これは、階段を1歩1段か、1歩2段で上るなら、最初の一歩は1段と2段の2通りあるから。」と一言いうだけで、「ふーん、なるほど。」とわかってしまう子が多いと思います。...でも、娘 くらいだと、先生の言った、その一言をメモすることすら、し損ねて帰ってきそう...(o´д`o)=3

この問題のポイント

この問題のポイントは以下の通りだと思います。

  • 与えられた問題についてシステマティックに(正しく)数え上げること
  • 数えた結果から、規則性を見出すこと

注意したいのが、階段だからフィボナッチ数列という発想になってはいけないということです。ポイントを踏まえて、別解を考えて見ましょう。

別解

問題を再掲します。

A君は、1歩で階段を1段または2段のぼります。
(1)階段を4段のぼる方法は何通りありますか。
(2)階段を6段のぼる方法は何通りありますか。
   階段の段数が増えるにつれて、のぼる方法はどのように増えていくかを考えて答えなさい。

1歩で1段を「1」、1歩で2段(1段とばし)を「2」と表現して樹形図表すことにします。

(1段)の場合は、表のようになって1通りです。

段の踏み方 場合の数
1  1通り

(2段)の場合は、表のようになって2通りです。

段の踏み方 場合の数
1  1通り
2  1通り

(3段)の場合は、表のようになって3通りです。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1  1通り
1, 2  2通り

(4段)の場合は、表のようになって5通りです。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1, 1  1通り
1, 1, 2  3通り
2, 2  1通り

(5段)の場合は、表のようになって8通りです。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1, 1, 1  1通り
1, 1, 1, 2  4通り
1, 2, 2  3通り

(6段)の場合は、表のようになって13通りです。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1, 1, 1, 1  1通り
1, 1, 1, 1, 2  5通り
1, 1, 2, 2  6通り
2, 2, 2  1通り

(7段)の場合、表のようになって21通りです。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1, 1, 1, 1, 1  1通り
1, 1, 1, 1, 1, 2  6通り
1, 1, 1, 2, 2  10通り
1, 2, 2, 2  4通り

(8段)の場合、表のようになって34通りです。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1  1通り
1, 1, 1, 1, 1, 1, 2  7通り
1, 1, 1, 1, 2, 2  15通り
1, 1, 2, 2, 2  10通り
2, 2, 2, 2  1通り

....見慣れた数の並びが見えてきましたね。別の表にまとめると次のようになります。

この表から、段数4の時は、段数3の時と2の時の場合の数を足したもの、段数5の時は、段数4の時と3の時の場合の数を足したもの...ということに気づいて、そういうルールで増えていくというように説明すれば、それで、十分です。

段数  1   2   3   4   5   6   7   8  ....
場合の数  1  2  3  5  8  13   21   34  ....

考え方いろいろ

最初の答えは、「再帰的な構造」を見出して解いていて、別解の答え方は「場合の数として並んだ数の列」から特徴を見出して解いています。どちらも、システマティックに数え上げて、その活動の中で、規則性を見つけているのですから、どちらでもいいのです。

算数・数学をやっていると、一つの問題でも、複数の考え方があります。もちろん、考え方が違っても答えは同じになります。しかし、考え方が違えば、「なぜ、そうなるのか」の説明は変わってきます。

ただし、実際の解き方と、説明がチグハグにならないように注意したほうがいいかもしれません。

余談:パスカルの三角形

見慣れた数列といえば、表の場合分けした後の場合の数のリストも実は、見慣れた数列です。...どこかで見たことはありませんか?ないですよね......(o´д`o)=3 

段数 場合の数の列
1 1
2 1, 1
3 1, 2
4 1, 3, 1
5 1, 5, 3
6 1, 5, 6, 1
7 1, 6, 10, 4
8 1, 7, 15, 10, 1

....でも、縦に並べると、なんか、雰囲気わかりません?

パスカルの三角形

パスカルの三角形

....そうです。パスカルの三角形です。「えっ、どこが?」というかたのために、またまた図解です。

上の図はパスカルの三角形です。ご存じの方も多いと思いますが、左右の端が1で、その他の数は、左右の上の数を足したものになっています。

これを、斜め(30°)に線を引いていくと...あら不思議...階段の段ごとの場合の数が列に並んでいます!

パスカルの三角形とフィボナッチ数列

パスカルの三角形とフィボナッチ数列

高校数学の内容になりますが、n個のものからm個を選ぶ時の場合の数を mCn と表すと、パスカルの三角形は次のようにかけます。

例えば、5段目をみると

5C5, 4C3, 3C1 になっていますね。ここで、5段目の数え方を見直すと...次の表のように場合分けをして考えたのでした。

段の踏み方 場合の数
1, 1, 1, 1, 1  1通り
1, 1, 1, 2  4通り
1, 2, 2  3通り

それぞれ、5個の場所から5個選んで1を並べる場合の数(5C5)、4個の場所から3個えらんで1を置いて(残りに2を置いて)並べる場合の数(4C3)、3個の場所から1個選んで1を置いて(残りに2を置いて)並べる場合の数(3C1)になっていますね。

パスカルの三角形と二項係数

パスカルの三角形と二項係数

パスカルの三角形については「数の悪魔」(エンツェンスベルガー・著/丘沢静也・訳, 晶文社)にも紹介されています。もちろん、こちらの本でもフィボナッチ数列が現れることについて示唆しています。

 

フィボナッチ数列のフィボナッチは、イタリア(ピサ付近)の数学者の名前って知っていましたか?「フィボナッチ--- 自然の中にかくれた数を見つけた人」(ジョセフ ダグニーズ)は、フィボナッチさんの考えたことを紹介した絵本です。

 

高校入試や大学入試での出題

この階段の問題は、組み合わせや数列(漸化式)では、有名な問題で、高校入試や大学入試でも出題されることがあります。特に、高校入試で出題される場合は、中学入試の問題と、ほとんど同じレベルの問題が出題されることも特徴です。

高校入試での出題

埼玉県

階段を上るとき,1段ずつ上るか,2段ずつ上るか,1段と2段をまぜて上るかのいずれかとします。例えば,階段が3段のときの上り方は,下の図のように考えると,1段ずつ上ると「1段+1段+1段」の1通り,1段と2段をまぜて上ると「1段+2段」,「2段+1段」の2通り,2段ずつは上れないので,上り方は全部で3通りあります。
 階段が5段のときの上り方は,全部で何通りあるか求めなさい。

(公立高等学校入試・埼玉県・平成19年)


大学入試での出題

京都大学(2007年)

1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき,1歩で2段昇ることは連続しないものとする.15段の階段を昇る昇り方は何通りあるか.(2007年・理系)

15段ということで、数えるのが大変そうですが...工夫すれば小中学生でも取り組めそうな感じがしますね。「1歩で2段」は連続しない、というのがポイントです。

 

浜松医科大学(2021年)

2021年には、浜松医科大で出題されています。こちらは、数学の問題らしく文字や記号を使った問題文なので小学生にには問題文を読むのが難しいですが、京都大学の問題よりは基本的なので、簡単な言葉に直せば、取り組めそうです。

次のページに解説が掲載されています。

階段の昇り方の数列(2021年浜松医科大学前期数学第3問) - 理系のための備忘録

 

おわりに

実は、先日、Scratchで樹形図を書いてから...Scratch のマイブームがやってきて、何やらフラクタル的な図形を書いたりしていました。

そして...冒頭の黄金螺旋です。縦と横の比が黄金比になっている黄金長方形の内側にできる正方形の列の角の点を滑らかにつないでいくと、渦巻き状の螺旋を描くことができます。これのように書いたものが「黄金螺旋」です。黄金比や黄金螺旋はミロのビーナスやモナリザのような芸術作品の中にも多く見られることが知られていて、今日のデザインの世界でも、さまざまなところで利用されています。

その黄金螺旋は、フィボナッチ数とも密接に関係しています。

そもそも階段の問題を考えようと思ったきっかけは 「階段の問題をプログラムで解いてみようというテーマ」の以下のページ(Benesse)でした。

私も、何か、面白くて分かりやすいプログラムを作れたらいいな...と思っていましたが、今回はそこまで行きませんでしたが、また、今度考えて見たいと思います。

benesse.jp

 

過去の記事

 

a-dash.hatenablog.com